07 Maggio 2024
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タンニン

タンニンは植物なめしにおいてもっとも重要で、欠かすことのできない素材です。あくまで自然由来の成分で、厳正に植物から作られます。原料は木の実、樹皮、葉といった回復可能な素材です。これはぜひとも強調しておきたい点で、木材から抽出されるタンニンであれば、原料となる木は継続的に植樹され、新しい木が育てられるのです。植物なめしでもっとも一般的に使用されているタンニンはケブラチョ〔ケブラコ〕、チェスナット、ミモザ、ミロバラン、タラ、ガンビア、スマック、オーク、パインなどです。それぞれ異なる生物的特長をもち、優秀ななめし職人でなければ、作ろうとする革のタイプ(ソフト、ハード、スムースでしなやか、淡色、赤みがかっている、濃色等)に合わせて、多くの種類から適切なタンニンを選び、量を調節して混ぜ合わせることはできません。





おもなタンニンと特長:


ケブラチョ〔ケブラコ〕:非常に硬い木で、アルゼンチンの木こりはスペイン語で“Quiebra hacha”、すなわち「斧を壊す」と呼んでいました。アルゼンチン北部で育つ木からとれます。タンニンの凝縮度が高く、例外なくキメの細かいリッチな質感が得られることから、皮なめしではもっとも広く使われています。森林資源としての持続性を保証するため、継続的な手入れと植樹が行われています。赤茶色をしています。




チェスナット:チェスナットは南ヨーロッパを発祥とする植物です。古代からこの堂々とした風格のある木は多くの用途に供されてきました。樹皮・材ともにタンニンを豊富に含んでいるため、よく皮なめしに使われています。チェスナット由来のタンニンは革に硬さを与え、銀面(表皮)をしっかり密にしてくれるため、靴底革の製造に使われるタンニンの主力です。植物なめしでも、より硬くしなやかな繊維の革を作るために使われます。暗褐色をしています。






ミモザ:南アフリカで育ち、イタリアのミモザによく似ています。タンニンはすべて樹皮に集中しています。ケブラチョよりも淡いピンク色です。ミモザから抽出されたタンニンは皮の繊維にすばやく浸透し、定着がよいので、硬い革のなめしにも、植物なめしにも広く使われています。





タラ:カエサルピニア・ティンクトリアと呼ばれるペルーに生える木の実の莢〔さや〕。この実の莢を乾燥させ、水につけて抽出します。この「バッチェッリ」と呼ばれる貴重な莢からタラ・タンニンが得られます。おもな特長は、皮そのものの銀面(表皮)に適度な固さを与え、銀面の強度を高めることにあります。耐光性のある芯通しのパステルカラーに最適です。アイボリーに似た淡い色をしています。





ミロバラン:東インドで育つ最高15mにもなる木で、フランス語名には「軟膏の実」という意味があります。この木になる果実「ミロバラン」には収斂性があり、耐光性に優れた加水分解性タンニンが豊富に含まれています。果実の見た目は乾燥プルーンのようで、色は、収穫直後の緑がかった色から保存中の黒っぽい暗色まで、変化に富んでいます。とくに靴底革の製造では、ケブラチョの赤みがかった色を調整するためにピットなめしでよく使われます。革に柔らかい感触を与えます。



ガンビア:タンニンを豊富に含む野生の潅木でおもに中国、インド、マレーシア、インドネシアで育ちます。地域によってはコショウと共生で栽培されています。成分を抽出するには葉と枝を一緒に水に入れて沸騰させます。続いて煮出した液を蒸発させ、シロップ状の濃度にし、冷やして結晶化させます。得られたかたまりを大きさ25mmの小さなキューブ状にカットし、水溶性にするため分散したタンニンとともに溶かします。ガンビアのエキスを単独で使うと、非常に柔軟でこまやかな感触の赤茶系の革ができます。革によっては、柔軟性と伸縮性という特長をそこなわずにキメの細かい豊かな質感を得ることができます。カーフのなめしに使われます。ガンビアのエキスに含まれる特別な成分の働きで、グレージング効果が高まり、鮮やかな色が得られます。



バロニア:バロニア・オークは地中海沿岸(ギリシア、アルバニア、トルコ)および中東、小アジアに広く分布しています。イタリアではサレント地方とプーリア州のトリカーゼ周辺にのみ見られます。幹はまっすぐですが、枝別れし、高さは25mに達します。非常に美しい木で、2年ごとに実をつけます。その「実」から豊富なタンニンが抽出されます。このタンニンを使用すると細かく均質なシボが得られるため、とくに靴の甲革やソール用の革の再なめしで使われています



スマック:抗酸化物質を豊富に含む香辛料の植物です。灌木で高さは3mにもなります。南ヨーロッパおよび中東に広く分布しています。香辛料としては7月から9月に実を収穫し、乾燥させます。乾燥後、細かく刻みます。スマックに含まれるタンニンは約23%ですが、同時に着色成分も含まれており、おもに工業的な規模で大量の生地を染める場合に使われますが、革の染色に使われることもあります。非常に定着がよいのが特長です。濃い暗紅色をしています。この植物には高い割合で抗酸化物質が含まれています。そのため、スマックは世界でもっとも強力な抗酸化作用をもつ食品の一つです。

そのエキスは心臓脈管系に良い効果があり、高い抗菌作用および抗炎症作用があります。スマックの抗酸化物質の効用はリンゴ1個よりも73%高く、フリーラジカルとの戦いを助けるからです。この香辛料はとくにアラブ料理とトルコ料理でオイルやレモンの代用として使われます。魚、ケバブ、サラダ、豆類の調味に使われます。しかし、生だと毒性を持つことがあるので、かならず乾燥させ、生食しないよう注意する必要があります。





豆知識



あまり知られていないかもしれませんが、タンニンは動物の餌やワイン造り、パーティクルボード、段ボール、水処理、サビ取り、油井のボーリング作業等にも使われています。



タンニンには治療に有効な成分も含まれており、抗酸化作用およびアンチエイジング効果があります。良質の赤ワイン、チョコレート、お茶、コーヒー、そしてブルーベリー、ブドウ、ザクロ、カキ等、多くの果物に含まれています。

フリーラジカルに対抗し、老化を遅らせ、心臓疾患やガンを予防します。収斂性の成分を含むため多くの化粧品、ニキビケアのクリーム、またはフケを抑えるシャンプーに使われています。

タンニンのポリフェノールについては、その健康効果をめぐって研究が進められています。多くの症状をケアするためのナチュラルな治療手段です。ヤマモモ科の灌木からは下痢や腸の炎症といった健康問題を解消したり、飲み物のグレードアップ、例えばビールをスパイシーにするための浸出液が作られます。ブラックベリーは腸の疾患や炎症に効果があります。ラズベリーは妊娠中の女性のつわりに使われます。セージは料理の調味の他、喉の痛みや喘息のような呼吸器疾患に使われます。




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